現在の消費電力量(瞬間値)について
定格消費電力と消費電力ってどう違うの?
スマートハイム・ナビの「現在の消費電力量(瞬間値)」画面で見ることができるのは、
「今、どの部屋(回路)の家電製品が、どれぐらい電力を消費しているのか」。
つまり、現時点でのリアルな消費電力です。
しかし、その瞬間値は、家電製品や電気設備のカタログに記載されている定格出力と
かけ離れていることが少なくありません。
そこで今回は、消費電力と定格出力の関係について家電製品別に整理しました。
家電製品の定格出力(kW)とは?
前回もご説明したとおり、定格出力とは「指定された条件下で機器類が安全に達成できる最大出力」のこと。
ここでは家電製品ごとに定格消費電力と実際の消費電力の関係についてご説明します。
① オン/オフのみの家電機器(例:白熱電球)
定格消費電力が60W形の白熱電球の場合、
定格消費電力の90%程度の約54Wの消費電力になるように設計されています。
これは「どのような状況下でも消費電力が60Wを超えないように」という安全思想に
基づいたものです。
100Vの電圧が93~107(許容範囲)の間で変動し、
最も高い107Vになった状態でも60Wは超えないという意味です。
② タイマー機能のみの家電機器(例:トースター)
強弱スイッチがなく、タイマー機能だけのシンプルな家電機器も、
消費電力は定格消費電力の90%程度。
たとえば定格消費電力800Wのトースターなら、
実際の消費電力は720W程度になります。
ご存じのとおり、焼き加減はタイマー機能による運転時間の長さだけで調節しています。
定格よりも実際の消費が10%程度少ないのは①と同じ理屈です。
③ 強弱スイッチのみの家電機器(例:電気ストーブ)
強弱スイッチのみがついている家電機器の消費電力は、次のように考えることができます。
○強(600W)と弱(300W)の2段階切り替えスイッチ付き・定格消費電力600Wの電気ストーブの例
④ サーモスタット機能付きの家電機器(例:ホットカーペット、こたつ、アイロン)
サーモスタットとは、一定の温度を保つための自動温度調節装置のこと。
加熱スタート後、一定の温度になると自動的にスイッチをオフ。
温度が下がると再びスイッチオン。こんなふうに自動でオン/オフを繰り返し、
一定温度を維持します。
ホットカーペット、こたつ、アイロンなど熱を扱う家電機器には、
サーモスタットが組み込まれていることが少なくありません。
○強(600W)と弱(300W)の2段階切り替えスイッチ付き・定格消費電力600Wのホットカーペットの例
⑤ 定格消費電力の記載に幅がある家電機器(例:掃除機)
掃除機の場合、メーカーのカタログに、消費電力が「1000W~300W」など、幅のある表記をされることが多いようです。これはユーザーの使い方次第で消費電力が変わるため。
たとえば、集塵部にチリがたまった状態で「強」運転した場合は1000W、集塵部を掃除して(モーターの負荷が最少の状況で)「弱」運転した場合は300Wといった具合です。
「消費電力は使い方次第」とお考えください。
⑥ 定格消費電力の記載がない家電機器(例:エアコン)
エアコンの場合も掃除機と同様にメーカーのカタログに定格消費電力の記載がなく、消費電力だけが記載されています。下図はその記載例です。
⑦ 一年中使い続ける家電機器(例:冷蔵庫)
冷蔵庫の場合、メーカーのカタログには下のように記載されています。
⑧ AV機器(例:テレビ、パソコン)
定格消費電力や消費電力など目安となる数値が、メーカーのカタログに記載されています。
液晶テレビやパソコンディスプレイは画面の明るさ設定を変えることで、消費電力が変動します。